
エクセルのフィルター機能の使い方を教えてください。必要なデータだけを抽出したいんですけど、うまくできないんです。

フィルター機能は、「オートフィルター」、「FITER関数」など複数のやり方があるんだ。抽出したいデータに合うフィルターのかけ方を教えるね。
エクセルのフィルターは、オートフィルターの機能を指すことが多いです。
しかし、「オートフィルター」以外にも、「フィルターオプション」、「FILTER関数」などの種類があるため、フィルター条件に合わせて使い分ける必要があります。
- 入力されている文字や色でフィルターをかけたいときは、オートフィルターを使用する
- 3つ以上の条件を設定したい場合は、FILTER関数または詳細設定を活用する
- 空白行が含まれているデータにフィルターを設置する場合は、データ範囲を選択した後にフィルターを設置
- 同じ結果になる操作が複数あるため、自分が使いやすいと思う方法を見つけておく
フィルターを使って、条件に合うデータをスムーズに抽出する方法をマスターしてみましょう。
エクセルのフィルター設定に関する基本操作を覚えよう!
エクセルのオートフィルター機能を使用するためには、入力したデータにフィルターを設定する必要があります。
フィルター機能を設定する方法と基本操作を覚えておきましょう。
フィルターを設定・追加する
フィルターを設定・追加する方法には大きくわけて2通りのやり方があります。
- データタブからフィルターを設定する
- 作成した表をテーブルに変換する
それぞれの手順を詳しく解説します。
「データ」タブからフィルターを設定する
1つ目は、作成した表の見出しを選択して、「データ」タブにあるフィルターのアイコンをクリックする方法です。

- 赤枠内の任意の見出しをクリック
- 「データ」タブを押す
- 「フィルター」のアイコンをクリックする

表の見出しにフィルターボタンが挿入されました。
作成した表をテーブルに変換する
2つ目は作成した表をテーブルに変換する方法です。
作成した表をテーブルに変換すると、自動的にフィルターボタンが設置されます。

- 表の範囲を選択
- 「挿入」タブをクリック
- 「テーブル」を選択する

- 「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れる
- 「OK」を押す

表がテーブルに変換され、フィルターボタンを表示することができました。
行方向にフィルターをかける
エクセルには、行方向にフィルターをかける機能はありません。
しかし、作成した表の行と列を入れ替えることができるため、入れ替えの機能を使うと行方向にフィルターをかけることが可能です。
支店名の列方向に社員名が並んでいる表の行と列を入れ替えて、行方向に社員名を表示させてみましょう。

- 表の範囲を選択
- Ctrlを押しながらCを押してコピーする

- 上に1行分以上空いているセルを貼り付け先として選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「貼り付け」の下向き矢印を選択
- 貼り付けのメニューから「行/列の入れ替え」をクリックする

貼り付けたデータの上に空白のセルがないと、フィルターを設置したときに、文字の上にフィルターボタンが表示されてしまうことがあるから注意しよう。

- 1つ上の空白のセルを含めて、見出し部分を選択
- 「データ」タブを選択
- 「フィルター」のアイコンをクリック

支店名でフィルターをかけると、支店名の行に社員名を表示することができました。
エクセルのフィルターを解除する
フィルターをかけた見出しのボタンから解除することができます。

- フィルターをかけた見出しのフィルターボタンを押す
- 「"ブロック名"からフィルターをクリア」を選択する

「""」で囲まれている部分は、フィルターを挿入した見出し名が表示されるよ。

フィルターを解除され、すべてのデータを再表示することができました。
フィルターのかけ方・種類の選び方
フィルターボタンの下向き矢印をクリックすると、条件を入力する方法が複数表示されます。
フィルターの種類には、以下のようのものがあります。
- 色フィルター
- テキストフィルター
- 検索ボックス
- フィルターオプション
それぞれのフィルターが、どんなケースに適しているかを確認してみましょう。
セルに色分けをしているときは色フィルターが便利!
セルに色分けをしているときは、色フィルターが便利です。

これは、各ブロック別にセルを色分けしたデータです。
特定のルールでセルが色分けされているときは、色フィルターが便利です。
色フィルターにマウスポインタを合わせて色を選択すると、セルの色でフィルターをかけることができます。
特定の文字でフィルターをかけたいときはテキストフィルターがおすすめ
特定の文字でフィルターをかけたいときは、テキストフィルターがおすすめです。

テキストフィルターを使うと、文字を指定してフィルターをかけることが可能です。
例えば、すべての社員名簿から「田中さん」のデータを探したいといった場合は、テキストフィルターを活用してみましょう。

- 「氏名」の見出しのフィルターボタンを押す
- 「テキストフィルター」の矢印にマウスポインタを合わせる
- 「指定の値を含む」をクリック

- 「田中」と入力
- 「OK」をクリック

社員名簿から「田中さん」のデータだけを抽出することができました。
テキストフィルターは2つまでしか条件が設定できない
特定の文字を指定してフィルターをかけたいときはテキストフィルターが便利ですが、複数の条件でフィルターをかけたい場合は少し注意が必要です。

どんなことに注意が必要なんですか?

テキストフィルターは、2つまでしか条件を設定することができないんだ。

カスタムオートフィルターを使うとANDやORを使った条件を入力することができますが、2つまでしか入力することができません。
3つ以上の条件を指定したい場合は、次で紹介するフィルターオプションを活用してください。
フィルターオプションを使うと3つ以上の条件が設定できる
フィルターオプションは、フィルターボタンを挿入しなくてもフィルターがかけられる機能です。
条件が入力されている範囲を指定してフィルターをかけることができるため、3つ以上の条件でフィルターをかけたいときに適しています。

フィルターオプションは、元のデータ範囲とは別の場所に条件を入力し、「データ」タブの中にある詳細設定を押してフィルターをかけます。
上記の画像のようにセルに直接条件を入力できるので、3つ以上の条件を入力したいときに活用してみてください。
フィルターオプションの詳しい使い方は、エクセルのフィルターでリスト化する方法を紹介した関連記事で解説しています。
フィルターの範囲を広げたいときは検索ボックスを活用する
フィルター条件がはっきりしているときは色フィルターやテキストフィルターが便利ですが、フィルターの条件範囲を広げたいときは検索ボックスを使ってみましょう。
例えば、正確な名称が思い出せないが、「田」という文字が含まれていた気がするといった場合は、検索ボックスがおすすめです。

- 検索ボックスに文字の一部を入力
- 「OK」をクリック

検索ボックスに入力した文字が含まれているデータを抽出することができました。
テキストフィルターも同じように検索できますが、検索ボックスは必要な文字を入力してEnterを押すだけなので、素早くフィルターをかけたいときに適しています。
エクセルのフィルター機能をショートカットで素早く操作!
使用頻度の高い操作は、ショートカットを覚えておくと便利です。
すべてのショートカットを覚える必要はありませんが、その都度メニューバーから操作する必要がなくなるため、効率アップに役立ちます。
エクセルのフィルターに関する重要度が高いショートカット4選
フィルター機能で重要度の高いショートカットは、以下の4つです。
機能 | ショートカットキー |
---|---|
フィルターを設置 | Ctrl+Shift+L |
値を選択してフィルターをかける | Shift+F10+E+V |
色を選択してフィルターをかける | Shift+F10+E+C |
フィルターをクリアする | Shift+F10+E+E |
特に、フィルターを設置するショートカットとフィルターをクリアするショートカットは、覚えておくと便利です。
覚えておくと便利なフィルターのショートカット10選
重要度の高いショートカットに加えて、キーボードで操作できるショートカット10選を紹介します。
機能 | ショートカットキー |
---|---|
フィルターメニューを開く | Alt+↓ |
テキストフィルターのメニューを開く | Alt+↓+F |
色フィルターのメニューを開く | Alt+↓+I |
フィルタの検索ボックスを選択する | Alt+↓+↓ |
選択するメニューを移動する | ↑または↓ |
オートフィルターのチェックを一括で解除する | Ctrl+Space |
一括で解除した項目から特定の項目にチェックを入れる | ↑または↓で選択する項目の上にカーソルを移動してCtrl+Spaceを押す |
選択した内容を決定する | Enter |
フィルターメニューを閉じる | ESC |
Altキーを使ってすべてのフィルターを解除する | Alt→D→F→S |
エクセルのフィルターに関するショートカットの詳しい操作方法は、画像付きで詳しく解説しているこちらの関連記事を参考にしてみてください。
エクセルのフィルターで複数条件を設定する3つの方法
エクセルのフィルターで複数条件を設定する方法には、以下の3つがあります。
- オートフィルターを使う
- FILTER関数を使う
- 詳細設定を使う
使用するデータと抽出したい条件に合わせて、適切な方法を選択してみてください。
オートフィルターを使う
フィルターボタンを挿入してフィルターをかける操作を、「オートフィルター」と呼びます。
フィルターボタンはそれぞれが独立しているため、複数の見出しのフィルターを同時にかけることが可能です。
フィルターボタンは、表の見出しを選択したあとにフィルターのアイコンをクリックして挿入します。

- 表の見出しを選択
- 「データ」タブをクリック
- 「フィルター」のアイコンを押す
挿入されたフィルタの▽をクリックすると、条件に合わせてフィルターをかけることができます。

フィルターボタンの▽が赤枠の形状と同じになっているときは、フィルターがかかっている状態です。
表に入力されている文字を使ってフィルターをかけたい場合は、オートフィルターを使ってみてください。
FILTER関数を使う
FILTER関数は、Excel2021以降またはOffice365のエクセルで使用できる関数です。
それ以前のエクセルを使用している場合は、FILTER関数は使えません。
FILTER関数の構文は、「=FILTER(配列,含む,[空の場合])」です。
「空の場合」の引数は、該当するデータがない場合に何を表示するのかを指定しますが、省略しても問題ありません。

オートフィルターの場合は、フィルターボタンを使って条件を入力しますが、FILTER関数は、元の表とは別の場所に条件を入力し、「元の表の範囲」と「条件が入力されている範囲」を引数として指定します。
FILTER関数を使うと、元のデータとは別の場所に必要なデータを抽出できるため、元のデータの状態を変更せずにフィルターをかけたいときにおすすめの機能です。
FILTER関数の操作方法は、後述のFILTER関数の使い方で解説します。
詳細設定を使う
「詳細設定」は、フィルター後のデータをリスト化したいときに便利な機能です。
FILTER関数は、Excel2021以降またはOffice365のエクセルを使用していない場合は使うことができませんが、「詳細設定」はそれ以外のエクセルでも使用することができます。
「詳細設定」は関数ではありませんが、使い方はFILTER関数と似ています。

こちらの画像は、「詳細設定」を使ってフィルターをかけたものです。
抽出先のセルに関数は挿入されていませんが、FILTER関数を使ったときとほぼ同じ状態でデータが抽出されていますね。
「詳細設定」は、FILTER関数の代わりとして使うことができるので、Office365またはExcel2021以前のバージョンのエクセルを使用している場合は、「詳細設定」の機能を活用してみてください。
エクセルのフィルターで複数条件を設定する方法は、関連記事で詳しく解説しています。
FILTER関数の使い方!条件に合うデータを抽出する方法
FILTER関数は、Office365またはExcel2021以降から使えるようになった関数で、フィルターをかけて条件に合うデータを抽出したいときに使用する関数です。
元のデータ範囲以外の場所に抽出できるため、元のデータを非表示にせず、すべてのデータを表示した状態のままフィルターがかけられます。
FILTER関数の基本操作
FILTER関数の基本操作を解説します。
FILTER関数の構文は、「=FILTER(配列,含む,[空の場合])」です。
- 配列:見出しを含めないデータ全体の範囲
- 含む:検索したい条件が入力されているデータ範囲
- 空の場合:指定した条件に該当するデータがなかったときに表示する値
「空の場合」の引数は、指定した条件に該当するデータがなかったときの値を表示するために入力する部分なので、条件に合致するデータが1つ以上ある場合は省略してもかまいません。

「空の場合」の引数の部分に「"該当データなし"」のように入力しておくと、条件と合致したデータがなかった場合は抽出先のセルに「該当データなし」と表示されるよ。

- 元のデータとは別の場所に元のデータと同じ見出しを入力
- フィルター条件を入力

このデータではブロック名の「関東ブロック」をフィルター条件にしているよ。

- データの抽出先のセルをクリックして、「=f」と入力
- 表示された関数の候補から「FILTER」をダブルクリックする

- 見出しを除いた元のデータ範囲をすべて選択
- 半角で「,(カンマ)」を入力

- 「(」を入力
- 元のデータのブロック名のデータ範囲を選択
- 「=」を入力
- フィルター条件が入力されている「Hの3」のセルをクリック
- 数式の最後に「)」を2つ入力
- Enterを押す

関東ブロックでフィルターがかかり、関東ブロックの社員だけを抽出することができました。
FILTER関数で抽出したデータに連番を振る
FILTER関数で条件に合うデータを抽出すると、フィルターをかけた後のデータは別の場所に抽出されるため、ROW関数を使って連番を振ることができます。
オートフィルで連番を入力してもかまいませんが、関数で入力しておくとデータを削除したときに番号が自動的に振り替わるので便利です。

- 条件を入力する範囲の見出しの先頭に「番号」を入力する列を追加
- 「Jの2」のセルにFILTER関数を挿入してデータを抽出

- 「Iの3」のセルをクリック
- 「=ROW(J3#)」と入力
- 挿入した関数の後ろに「-2」のようにROW関数を挿入した上にある行数分をマイナスした数字を入力
- Enterで確定
=ROW(J3#)-2
FILTER関数で抽出したデータはスピルの機能が使われているため、ROW関数を挿入したセルを選択すると「J3#」のようにセル番地の後ろに「#」が入力されます。
「#」を削除してしまうと、連番が表示されなくなるので注意してください。

抽出したデータに連番を振ることができました。
Excel2021以前のエクセルでFILTER関数の代用として使える関数
「VLOOKUP関数」、「ROW関数」、「SMALL関数」、「COLUMN(カラム)関数」を組み合わせると、FILTER関数の代用として使用することができます。

ただし、複数の関数を組み合わせて使用しなければならないため、数式が複雑になってしまうから注意が必要だよ。
同じようにデータが抽出できれば問題ないという場合は、「詳細設定」を使う方法がおすすめです。
詳細設定は関数ではありませんが、FILTER関数とほぼ同じ状態でデータを抽出することができます。
FILTER関数の使い方と複数の関数を組み合わせてFILTER関数の代用として使う方法は、関連記事で解説しています。
詳しい手順は、こちらの記事を参考にしてみてください。
エクセルのフィルター範囲を設定する3つの方法
エクセルのフィルターは、使用目的に応じて範囲を指定して設定することができます。
範囲を指定してフィルターをかける方法には、以下の3つがあります。
- 範囲を指定せずに表の見出しを選択してフィルターを設置する
- 範囲を指定して、必要な範囲だけにフィルターを設置
- 特定の列を指定してフィルターを設置する
範囲を指定せずに見出しを選択してフィルターを設置
入力したすべてのデータにフィルターを設定したい場合は、データ範囲を指定せずに、見出しだけを選択してフィルターを設置しましょう。

範囲を指定せずにフィルターを設置すると、すべてのデータがフィルターの対象になります。
範囲を指定してフィルターを設置する
空白行が含まれている場合は、範囲を指定してからフィルターを設定すると、すべてのデータ範囲にフィルターをかけることができます。

これは、空白行があるデータの見出しを選択し、フィルターを設置したあとに仕入先のフィルターアイコンを使ってフィルターをかけた後の画像です。
元のデータと比較してみると、空白行から下のデータにはフィルターがかかっていないことがわかります。
空白行が含まれていた場合、データ範囲を選択してからフィルターを設置すると、すべてのデータにフィルターをかけることができます。

これは、空白行以下のデータも含めて範囲を選択してからフィルターを設置して、仕入先「B」でフィルターをかけた後の画像です。
空白行以降のデータにもフィルターがかかっていることがわかりますね。
データに空白行が含まれていた場合は、範囲を指定してからフィルターを挿入してみてください。
特定の列を指定してフィルターを設置
フィルターは、特定の列を選択して設置することも可能です。

フィルターを設置したい列を選択した後にフィルターを設置すると、上記のように選択した列だけにフィルターを挿入することができます。
エクセルのフィルター範囲を設定する詳しい操作は、こちらの記事を参考にしてみてください。
オートフィルターの使い方
オートフィルターは、エクセルで最も使用頻度の高いフィルター機能です。
データにフィルターボタンを設置すると、複数の機能を使ってフィルターがかけられるようになります。

基本の使い方は、赤枠内にフィルター条件を入力して「OK」をクリックするだけです。
操作方法が比較的簡単なので、初心者におすすめです。
エクセルのオートフィルターの基本操作と便利な使い方は、関連記事で詳しく解説していますのでこちらをご覧ください。
エクセルのフィルターで抽出したデータをコピー&貼り付けしよう!
フィルターで抽出したデータをコピーして別の場所に貼り付けをしたら、非表示になっていたセルのデータも含まれていたという経験はありませんか。
フィルターオプションを使って抽出したデータは、通常の手順でコピー&貼り付けができますが、オートフィルターやFILTER関数でフィルターをかけた場合は、普通の貼り付けやCtrl+Vが使えません。
オートフィルターやFILTER関数でフィルターをかけたときは、以下の方法でコピー&貼り付けを行う必要があります。
- 可視セルでコピーした後に貼り付ける
- FILTER関数で抽出したデータを値で貼り付ける
ただし、前述で解説したように、FILTER関数はOffice365またはExcel2021以降のバージョンのエクセルでしか使用することができません。
それ以前のエクセルを使用している場合は、オートフィルターでフィルターをかけた後に可視セルをコピーして貼り付ける方法を活用してください。

可視セルって何ですか?

フィルターをかけた後に表示されているセルのことだよ。非表示になっているセルをコピーの対象から外したいときは、可視セルだけをコピーする必要があるんだ。
それぞれの手順を詳しく解説していきます。
可視セルでコピーした後に貼り付ける
抽出したデータを元の表の右側に貼り付けしたいときは、こちらの手順でコピー&貼り付けの操作を行ってください。

- コピーしたいデータ範囲を選択
- Altを押しながら;を押す

Alt+;は可視セルを選択するショートカットキーだよ。

Ctrlを押しながらCを押して、可視セルとして選択されているデータ範囲をコピーします。

Ctrlを押しながら、貼り付け先のセルを選択してください。

Ctrlを押しながらRを押して貼り付けましょう。

フィルターで抽出したデータを、コピー&貼り付けすることができました。

複数列をコピー&貼り付けしたい場合は、同じ操作を繰り返してね。
FILTER関数で抽出したデータを値で貼り付ける
FILTER関数で抽出したデータは、通常通りにデータをコピーしてから「値」で貼り付けます。

普通に貼り付けをしてはいけないんですか?

FILTER関数は、スピルという機能を使ってデータを抽出しているから、普通に貼り付けてしまうとコピーしたデータと同じ状態の結果を貼り付けることができないんだ。
FILTER関数で抽出したデータをコピー&貼り付けする手順を解説します。

FILTER関数で抽出したデータ範囲を選択し、Ctrl+Cでコピーします。

貼り付け先のセルを選択してください。

- 「ホーム」タブをクリック
- 「貼り付け」の下向き矢印をクリックする
- 「値の貼り付け」を選択

抽出したデータをコピー&貼り付けすることができました。
エクセルのフィルターで抽出したデータをコピー&貼り付けする詳しい手順は、こちらの関連記事で詳しく解説しています。
エクセルでフィルターがかからない原因と対処法
エクセルでフィルターがかからない原因は、1つではありません。
手順通りにフィルターを設定しているはずなのにフィルターがかからない場合は、シートの状態を確認してみましょう。
複数のシートが選択されていた場合
複数シートが選択されている状態になっていると、フィルターボタンがグレーの状態になってしまうため、フィルターを設定することができません。

上記の画像のように、フィルターのアイコンがグレーになっていて押せない場合は、複数のシートが選択されている可能性があります。

シートのタブが白く表示されている箇所が2つ以上ある場合は、複数のシートが選択されている状態になっています。
以下の手順でシートのグループ化を解除しましょう。

- タブの色が白く表示されているいずれかのシートの上で右クリック
- 「シートのグループ解除」を選択
「フィルター」のアイコンが黒に変わり、フィルターがかけられるようになります。
シートの保護が設定されていた場合
データを共有で使用している場合、誤ってデータを削除したりできないように、「シートの保護」が設定されていることがあります。

「シートの保護」が設定されていた場合、「校閲」タブの赤枠で囲まれている部分に「シート保護の解除」という文字が表示されています。
「シートの保護」ではなく「シート保護の解除」と表示されていた場合は、「シート保護の解除」のアイコンをクリックして、保護の解除を行ってからフィルターの設定を行いましょう。
ただし、シートの保護を解除する際にパスワードの入力を要求されることがあります。
パスワードの入力画面が表示されたときは、シートの保護をする際に設定したパスワードを入力してください。

パスワードがわからない場合は、データを管理している責任者に確認してみてね。
原因別に対処法を詳しく解説している関連記事があります。
エクセルでフィルターがかからないときは、こちらの記事を参考にしてみてください。
フィルター後に合計したいならSUBTOTAL関数を使おう
フィルターをかけた後のセルの値を合計したいときは、SUBTOTAL関数を活用してみましょう。
SUBTOTAL関数は、非表示になっているセルを除いて計算ができるので、フィルターをかけた後の値のセルを計算したいときに適しています。
SUBTOTAL関数の構文は、「=SUBTOTAL(集計方法,参照)」です。
集計方法に入力する引数は、計算したい内容によって特定の数字が決められています。
集計方法 | 集計の種類 | 引数で表示される関数名 |
---|---|---|
1または101 | 平均値を計算する | AVERAGE |
2または102 | 数値の個数を計算する | COUNT |
3または103 | データが入力されているセルの個数を計算する | COUNTA |
4または104 | 最大値を計算する | MAX |
5または105 | 最小値を計算する | MIN |
9または109 | 合計値を計算する | SUM |
合計を計算したい場合は、「9」または「109」を入力します。

- 合計を表示したいセルを選択
- 選択したセルに「=SUBTOTAL(9,B2:B7)」と入力してEnterで確定する
=SUBTOTAL(9,B2:B7)

- 仕入先のフィルターボタンを使って「A」を条件にしてフィルターをかける
- 仕入先が「A」の単価の合計が表示される

フィルターを先にかけてしまうと、条件に合わないセルが非表示になり、正しい参照範囲が選択できなくなってしまうことがあるから注意してね。
フィルター後のデータだけを合計する方法や、集計方法の1桁と3桁の数字の違いと意味は、関連記事で詳しく解説しています。
フィルターで抽出したセル数をカウントする方法
フィルターで抽出したセル数をカウントしたいときも、SUBTOTAL関数を使います。
セルの数をカウントする関数には、数値が入力されているセルだけをカウントするCOUNT(カウント)関数と空白以外のセルをカウントするCOUNTA(カウントエー)関数がありますね。
SUBTOTAL関数を使う場合も、数値のセルをカウントするのか、空白セル以外をカウントするのかによって、集計方法の引数を変える必要があります。

仕入先の列にフィルターをかけて、「A」から仕入れている商品数をカウントしてみましょう。

このデータの場合、数値以外の空白ではないセル数をカウントするので、SUBTOTAL関数の集計方法は、COUNTAの「3」を使うよ。

- カウントした結果を入力したいセルを選択
- 選択したセルに「=SUBTOTAL(3,A2:A7)」と入力してEnterで確定
=SUBTOTAL(3,A2:A7)

- 仕入先の見出しのフィルターボタンを押し、「A」を選択してフィルターをかける
- フィルター後のセル数が表示される
フィルターで抽出したセルをカウントする手順は、こちらの記事で詳しく解説しています。
エクセルのフィルターオプションでリストを抽出する方法
フィルターオプションを使うと、フィルター後のデータの抽出先を「元のデータの範囲内」だけではなく「別のセル」を選択することができます。
別の場所を選択した場合は元のデータを非表示にせずに必要なデータを抽出できるので、フィルターで抽出したデータをリスト化したいときに便利な機能です。
ここでは、元のデータの範囲内にリストを抽出するフィルターオプションの基本的な使い方を解説します。
フィルターオプションの基本的な使い方
フィルターオプションはフィルターボタンを挿入せずに使用できるため、あらかじめ条件を入力する場所を作成しておく必要があります。
条件を入力する場所は特に決まりはないので、わかりやすい位置にあるセルに入力しておきましょう。
簡単なデータを使って、フィルターオプションの基本的な使い方を解説します。

条件を入力する範囲を作成します。

上記の画像のように、作成したデータ範囲にフィルター条件を入力しましょう。

- 「データ」タブをクリック
- 「詳細設定」を押す

- 「リスト範囲」の枠内をクリック
- 元データの範囲を選択する
- 「検索条件範囲」の枠内をクリックする
- 条件が入力されている範囲を選択
- 「OK」を押す

仕入先「A」でフィルターをかけることができました。
フィルターオプションを使って3つ以上の条件を設定する
条件を入力する範囲に3つ以上の条件を入力すると、複数条件を指定してフィルターをかけることができます。

元のデータの見出し部分をコピーして、赤枠のようなフィルター条件を入力する範囲を作成します。

赤枠の範囲に3つ以上のフィルター条件を入力しましょう。

- 「データ」タブをクリック
- 「詳細設定」を押す

- リスト範囲と検索条件範囲を入力
- 「OK」をクリック

3つ以上の条件を指定して、フィルターをかけることができました。
エクセルでリストでフィルターをかける方法や別の場所にデータを抽出する手順は、こちらの関連記事で詳しく紹介しています。
エクセルのフィルターに関するQ&A
- エクセルで複数の条件を満たしているデータを抽出したいのですが、カスタムオートフィルターの使い方を教えてください。
-
「テキストフィルター」のいずれかのメニューをクリックすると、「カスタムオートフィルター」のダイアログボックスが表示されます。
カスタムオートフィルターを使うと、「〇〇と等しい」、「〇〇を含む」といった条件だけではなく、ワイルドカードを使ってフィルターをかけることも可能です。
本文内でテキストフィルターの使用例を紹介していますので、参考にしてみてください。
- エクセルでフィルターを2つ同時に適用することはできますか?
-
フィルターのアイコンを使って挿入したフィルターボタンは、それぞれが独立しています。
そのため、見出しに挿入されている複数のフィルターボタンを使うと、2つ同時にフィルターをかけることが可能です。
- フィルターとソートの違いを教えてください。
-
「フィルター」は条件に合うデータを抽出する機能で、「ソート」はデータの並び替えをする機能です。
フィルターボタンのメニューに表示される「昇順」、「降順」、「色で並び替え」はソートに関する機能で、「色フィルター」から下に表示される部分がフィルターに関する機能です。
どちらもフィルターボタンから操作を行いますが、「フィルター」と「ソート」は全く別の操作になるので、間違えないように注意してください。
エクセルのフィルター機能で業務の効率化を図ろう!
エクセルのフィルターは、大量のデータから必要なデータを簡単に抽出できる便利な機能です。
一般的にエクセルのフィルターは、フィルターボタンを挿入して操作を行うオートフィルターを指していることが多いですが、それ以外にも「フィルターオプション」や「FILTER関数」を使ってフィルターをかける方法もあります。
手順は異なっていても同じ結果になる操作もあるため、使いやすい方法を見つけておくと効率アップにつながります。
最後に、エクセルのフィルターを使って効率的に必要なデータを抽出するコツをおさらいしておきましょう。
- 入力されている文字や色でフィルターをかけたいときは、オートフィルターを使う
- 3つ以上の条件を設定したい場合は、FILTER関数または詳細設定を活用する
- 空白行が含まれているデータにフィルターを設置する場合は、データ範囲を選択しておく
- 同じ結果になる操作が複数あるため、自分が使いやすいと思う方法を見つけておく
エクセルでは複数の方法でフィルターをかけることができますが、使いやすいと感じる操作は個人によって異なります。
今回紹介した操作方法を参考に、自分に合った操作方法を見つけてみてください。