
PDFをエクセルに変換する方法を教えてください。無料で安全に行う方法と有料版との違いも知りたいです。

PDFをエクセルに変換できれば、効率よく作業ができるようになって便利だよね。無料でも安全に操作できる方法と有料版との違いを解説するね。
PDFファイルをエクセルに変換する方法はいくつかありますが、PDFファイルの内容や使用しているエクセルのバージョンによって最適な手順が変わります。
- エクセルのPower Queryエディターを使って取り込む
- ワードで取り込んでエクセルに貼り付ける
- Adobe Acrobatの体験版を使って変換する
- 有料のPDF編集ソフトを使って変換する
- 無料で使えるオンラインツールを使って変換する
本記事では、PDFを5つのエクセルに変換する方法を紹介します。
「変換したいデータの内容」、「使用しているエクセルのバージョン」、「無料オンラインツールの使用の可否」などの条件を考慮し、最適な方法で変換してみてください。
PDFをエクセルに無料で変換する5つの方法
PDFファイルは無料でエクセルに変換することができますが、エクセルのバージョンやPDFファイルの内容によって適切な方法が変わります。
PDFをエクセルに変換する方法 | 適している人 |
---|---|
エクセルのPower Queryエディターを使って取り込む | 2016以降またはoffice365のエクセルを使用していて、かつPDFの表データだけをエクセルに変換したい方 |
ワードで取り込んでエクセルに貼り付ける | 2016以前のエクセルを使用している人、または文字が含まれているデータを変換したい方 |
Adobe Acrobatの体験版を使って変換する | 文字が含まれているPDFデータを変換したいが、できるだけレイアウトが崩れずに無料でエクセルに変換したい方 ただし、体験版なので一定期間を過ぎると有料になる |
有料のPDF編集ソフトを使って変換する | PDFをエクセルやワードに変換する機会が多いパソコン初心者の方 |
無料で使えるオンラインツールを使って変換する | 回数制限を気にせずに無料でPDFデータをエクセルに変換したい方 |
こちらの表を参考に、今回紹介している手順の中から最適な方法でPDFをエクセルに変換してみてください。
エクセルのPower Queryエディターを使って取り込む
Excel2016以降またはOffice365のエクセルを使用していて、かつPDFの表データだけをエクセルに取り込みたい場合は、エクセルのPower Queryを使ってみましょう。

PDFに変換されているこの表のデータをエクセルに取り込む手順を解説していきます。

新規ブックまたは表を取り込みたいエクセルファイルを開きます。

- 「データ」タブをクリック
- 「データの取得」を選択する
- 「ファイルから」をクリックする
- 「PDFから」を選択

- PDFファイルの保存先を開く
- 挿入するPDFファイルを選択
- 「インポート」をクリックする

- 挿入したい表のテーブル名をクリック
- 「データの変換」を選択

PDFファイルに複数の表があった場合は、「Table001」、「Table002」のように複数表示されるから、プレビュー画面で確認して挿入したい表のテーブル番号を選択しよう。

- 「1行目をヘッダーとして使用」をクリック
- 「閉じて読み込む」を選択

テーブルに変換されてエクセルに読み込むことができました。
このまま使うこともできますが、A1に「column1」の文字が表示されており、「月」と「店舗」と表示されている列と行にはデータがないため、データが少しわかりにくくなっています。
表がわかりやすくなるように、データを修正していきましょう。

- 2行目の数字の上で右クリック
- ショートカットメニューの「削除」を選択

A2に表示されていた「店舗」の文字が削除され、「A店」と表示されました。

- B列の上で右クリック
- ショートカットメニューから「削除」を選択

「月」の文字が削除され、B1に「1月」と表示されました。

「column1」の文字を削除して、「店舗/月」と入力してください。

- 金額が入力されている範囲を選択
- 「ホーム」タブにある「桁区切りスタイル」をクリック

PDFをエクセルに取り込んで、見栄え良く編集することができました。
ワードで取り込んでエクセルに貼り付ける
2016以前のエクセルを使用している場合や表以外のPDFファイルをエクセルに取り込みたいときは、ワードでPDFを取り込み、エクセルに貼り付けてみてください。
ただし、この方法の場合はPDFデータの内容によってはレイアウトが大きく崩れてしまうケースや画像で変換されてしまうケースもあるため注意が必要です。

レイアウトが大きく崩れたり、画像で変換されてしまったりしたときは、別の方法で変換することを検討してみよう!
今回は、PDFで保存されている売上表のデータを使って解説していきます。

ワードを起動して、「ファイル」タブをクリックします。

- 「開く」をクリック
- 「このPC」を選択

「参照」を選択してもOKだよ。

画面上部のフォルダ名が表示されている部分をクリックしてください。

- PDFが保存されているフォルダを開く
- 挿入したいPDFファイルを選択
- 「開く」をクリックする

上記の画面が表示されるので、「OK」をクリックしましょう。

PDFファイルのデータが表示されたら、「Ctrl+A」でデータを表を全選択をしたあとに「Ctrl+C」を押してコピーしてください。

エクセルを起動して、Ctrl+Vでコピーしたデータをエクセルに貼り付けます。

レイアウトが崩れていたときは修正してね!
PDFファイルの内容が表だけであれば比較的レイアウトの崩れがなくワードで開くことができますが、文字や下線、図形などが含まれていた場合はかなりレイアウトが崩れることがあります。

この画像の請求書はPDFファイルでは1枚に収まっていますが、ワードで開いてみると請求書の文字の下の下線や請求金額の下線の位置がずれていたり、請求書の下部に入力されていた文字が2ページ目に表示されてしまっていたりします。
ワードを使う方法は比較的きれいにエクセルに変換できるデータが多いですが、レイアウトが崩れて修正に時間がかかりそうなときやうまく修正ができないときは別の方法で変換してみてください。
体験版のAdobe Acrobatを使って変換する
レイアウト崩れがあまりなく、できれば無料で変換したい場合は体験版のAdobe Acrobatを利用してみましょう。
以前はログインから30日までの間に2回まで無料で使えるオンラインツールがありましたが、現在はAcrobatProの体験版のみとなっています。
ただし、体験版を無料で使えるのは7日間のみなので、PDFをエクセルに変換する回数が多い場合は有料版の導入を検討してみてください。
「有料版の購入を考えているけれど、実際の機能を試してみたい」という方も、まずは無料の体験版をインストールして実際に操作して検討することをおすすめします。

できれば無料で変換したいのですが、有料のソフトを使ったほうがいいんですか?

有料版を使うと、安全かつ効率的にPDFをエクセルに変換できるから、PDFをエクセルで使う頻度が高い人は有料のPDF編集ソフトの導入を検討してみよう。
有料のAdobe Acorobatを使うメリットには以下のようなことがあります。
- 安全に変換できる
- PDFを開発したAdobe社が販売しているので、レイアウト崩れがほとんどなく、修正箇所がほとんどないため効率がよい
- 回数制限がない
- PDFを直接編集できる(Acrobat Export PDFを除く)
費用はかかりますが、安全にPDFをエクセルに変換できるので機密性の高いファイルを変換したいときは有料のソフトがおすすめです。
Acrobat Proの体験版をインストールする手順と、PDFをエクセルに変換する方法を解説します。

Adobe Acrobatのトップページ(https://www.adobe.com/jp/acrobat.html)にアクセスして、「無料で始める」をクリックしましょう。

ソフトや体験版の説明を確認し、「無料で始める」をクリックしてください。

- 「年間プラン(月々払い)」を選択
- 「続行」をクリック

「Acrobat用AIアシスタントでプランを強化」という画面が表示されますが、何も選択せずに「次へ」をクリックしてください。
こちらも7日間は無料体験ができるので、使ってみたい場合は選択してもOKです。

支払い方法は、「クレジットカード」、「PayPay」、「PayPal」から選択することができます。
必要な情報を入力して、画面下にある「同意して登録」をクリックしてください。
画面右側に「概要」が表示されています。
料金の支払いが発生する日にちが表示されているので、有料版に移行したくない場合は支払開始日が来る前に必ず解約手続きを行ってください。

PDFファイルを開きます。

「ログイン」をクリックして、登録したAdobe Acrobatのアカウントでログインします。

「変換」のタブをクリックしましょう。

- 「Micrsoft Excel」を選択
- 「日本語」を選択
- 「変換」をクリック
名前を付けて保存のダイアログボックスが表示されたら、任意の場所を選択して保存してください。
体験版の解約手続きの方法は、Adobe公式サイト「https://helpx.adobe.com/jp/manage-account/using/cancel-subscription.html」をご覧ください。
有料のPDF編集ソフトを使って変換する
有料のPDF編集ソフトには、「サブスクリプション」タイプのものと「買い切り」タイプの2種類があります。

「サブスクリプション」と「買い切り」はどのように違うんですか?

サブスクリプションは、毎月一定の金額を支払い続けることで利用できるんだけど、買い切りはソフトをパソコンにインストールしてしまえばその後の費用は必要ないんだ。
Adobe Acrobatはサブスクリクションタイプのソフトなので、いつでも最新のソフトを使用することができますが、全く使用しない月があった場合でも費用は発生します。
一方、買い切りタイプのソフトは、パソコンにインストールしてしまえば追加の費用はかかりません。
また、ソフトがバージョンアップされた場合は新規で購入するよりもお得に新しいソフトに変更することができます。
PDFをエクセルなどの別のソフトに変換することが多い方やレイアウトが崩れてしまったときにうまく修正できない方は、有料のPDF編集ソフトの購入を検討してみてください。
おすすめのPDF編集ソフトをいくつか紹介します。
商品名 | 価格 | ポイント |
---|---|---|
PDFelement 標準版 | 5,980円 | 買い切りタイプのソフトなので、パソコンにインストールしたあとは料金が発生しません。 サポートも充実しています。 |
WPS Cloud | 480円(1か月版) | サブスクタイプの編集ソフトです。 1か月480円と手軽な価格で始めることができます。 |
Acrobat Export PDF | 220円/月 | サブスクタイプの編集ソフトです。 Adobe Acrobatとは異なり、PDFを「Microsoft WordまたはExcelに変換」、「OCR(文字認識)機能を使用して、スキャンしたテキストを編集」という機能に特化しているため、低料金で利用できます。 |
いきなりPDF STANDARD | 4,290円 | 買い切りタイプのソフトです。 PDFを直接編集することはできませんが、低価格でPDFをエクセルに変換することができます。 |
商品の内容が変更になっている場合がありますので、機能、金額等の詳細は各商品の公式サイトをご確認ください。
無料で使えるオンラインツールを使って変換する
無料で使えるオンラインツールは、ほとんどのサイトで「PDFをエクセルに変換」を選択して、変換したいPDFをアップロードするだけでエクセルに変換できます。
ただし、オンラインツールの場合はweb上にデータをアップロードする必要があるため、情報漏洩してしまう可能性がゼロではありません。

機密性の高いデータを変換したい場合は、エクセルやワードを使って変換するか、有料のツールを利用するようにしよう!
また、使用するサイトや変換したいPDFファイルの内容によってレイアウトが大きく崩れた状態で変換されるため、修正に時間がかかってしまうこともあるので注意してください。
無料で使用できるオンラインツールのサイトをいくつか紹介します。
iLovePDF

iLovePDFは使用制限などがなく、無料で使うことができますが、文字と表が混在しているPDFデータをエクセルデータに変換すると、レイアウトが大きく崩れてしまうことがあります。

上記のような表だけのPDFデータであれば、きれいにエクセルに変換できるので便利です。
Small PDF

Small PDFの無料版は変換したファイルのダウンロード数に制限がありますが、1か月に30回以内であれば基本的に無料で使用することが可能です。
文字と表が混在しているPDFデータの場合は複数のシートに分かれてしまうため、表のみのデータまたはPDF内の表のみをエクセルに変換したい人に適しています。
PDF to Excel 変換

PDF to Excel 変換は、1日あたりのファイル数やファイルサイズに制限がありますが、基本的には無料で使用することができます。

文字と表が混在しているPDFもほとんどレイアウト崩れがなく、きれいに変換できるので、簡単にエクセルに変換したい人は試してみてください。
エクセルにPDFファイルを貼り付ける
PDFファイルを画像やデータとしてエクセルに貼り付けたいときは、次のいずれかの方法を試してみてください。
- オブジェクトで貼り付ける
- スクリーンショットをして画像として貼り付ける
- ワードで読み込み「図」として貼り付ける
この中の「オブジェクトで貼り付ける」という方法は、エクセルとPDFだけで操作することが可能です。
できるだけ簡単に貼り付けしたいときは、こちらの方法がおすすめです。

- 「挿入」タブをクリック
- 「オブジェクト」を選択

- 「ファイルから」のタブをクリック
- 「参照」を選択

- PDFが保存されているフォルダを開く
- PDFファイルを選択
- 「挿入」をクリックする

オブジェクトの挿入の画面に戻ったら、「OK」をクリックしましょう。

PDFをエクセルに貼り付けることができました。
その他のエクセルにPDFファイルを貼り付ける操作方法は、こちらの記事をご覧ください。
フリーソフトを使わずにPDFの表をエクセルに変換する
フリーソフトを使わずにPDFの中にある表を変換したいときは、下記のツールを使う方法がおすすめです。
- 有料版のAdobe Acrobatを使用する
- エクセルのPower Queryエディターで取り込む
- ワードで取り込んだ表をエクセルに貼り付ける
「ワードで取り込んだ表をエクセルに貼り付ける」方法は、コストもかからず、エクセルのバージョンに関係なく使用することが可能です。

ワードを起動して「開く」を選択します。

- PDFが保存されているフォルダを開く
- 挿入するPDFを選択
- 「開く」をクリック

上記の画面が表示されるので、「OK」をクリックしてください。

表示された表を全選択してコピーしましょう。

ワードでコピーした表をエクセルに貼り付けます。
ワードを使う以外のフリーソフトを使わずPDF内にある表をエクセルに変換する方法は、こちらで詳しく解説しています。
PDFをエクセルに変換したときにレイアウトが崩れる原因と対処法
PDFとエクセルはファイルの構造が異なるため、PDFをエクセルに変換するとレイアウトが崩れてしまうことがあります。
レイアウトが崩れる主な原因は、以下の3つです。
- PDFとエクセルのファイルの構造が異なるため
- PDFとエクセルのページ設定が異なっている
- PDFをエクセルに変換するときに使用しているツールが原因になっている
レイアウト崩れを最小限に抑えたい場合は、有料のPDF編集ソフトを使ってエクセルに変換する方法がおすすめです。
ほとんどのPDF編集ソフトにはエクセルにする変換機能が備わっているため、比較的レイアウトの崩れがない状態で変換されます。

こちらの記事の本文内で体験版のAdobe Acrobatを使って変換する方法を紹介したけれど、サブスクリプションタイプのソフトを購入すると期限を気にせずに使えるようになるよ。
その他のPDFをエクセルに変換すると崩れるときの対処法は、こちらの記事で解説しています。
PDFをエクセルで変換したときに文字化けを防ぐ方法
PDFをエクセルで変換したときに文字化けする原因は1つではないため、絶対に文字化けさせないという方法はありません。
しかし、文字化けの原因と対処法を覚えておくと、文字化けの発生を最小限に抑えることは可能です。
文字化けが発生する主な原因は、以下の4つです。
- PDFのファイル内にエクセルで使用できないフォントが含まれている
- 環境依存文字や特殊文字が含まれているとき
- 複雑な表データが含まれている
- PDFファイルが破損しているとき
PDFをエクセルに変換すると文字化けする場合の対処法と原因については、こちらの記事をご覧ください。
PDFをエクセルに変換に関するQ&A
- フリーソフトを使わずにPDFをExcelに変換する方法を教えてください。
-
フリーソフトを使わずにエクセルに変換したい人は、「ワードで取り込んでエクセルに貼り付ける」、「体験版または有料のPDF編集ソフト」を使って変換してみましょう。
ただし、PDF編集ソフト以外で変換した場合は、データの内容によってはうまく変換できないこともあるので、注意してください。
PDFをエクセルに変換する方法は、こちらで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
- PDFファイルをExcelで開きたいのですが、どうしたらいいですか?
-
PDFファイルをエクセルで開きたいときは、「エクセルのPower Queryエディターを使って取り込む」か、PDFをエクセルに変換するツールを使ってエクセルに変換してから「開く」必要があります。
エクセルのファイルタブの「開く」から、PDFファイルを直接開くことはできないので注意してください。
レイアウト崩れがなく、かつ安全に開きたいときは有料のPDF編集ソフトを購入してPDFをエクセルに変換してから「開く」方法がおすすめです。
有料のソフトを使うのが難しいときは、無料のオンラインツールを活用してみてください。
PDFをエクセルに変換したいときはデータに合わせて最適な方法を選ぼう
PDFは、エクセルの「開く」を使って直接表示することはできません。
PDFをエクセルで表示させたいときは、エクセルのPower QueryエディターやPDFをエクセルに変換できるツールを使って開くか、ワードでPDFファイルを開いてからコピー&貼り付けをする必要があります。
PDFをエクセルに変換する方法はいくつかありますが、データの内容や変換方法によってはレイアウトが大きく崩れてしまうことがあるため、データに合わせて使い分けをしてみてください。
レイアウトの崩れがなく安全に変換したい人や、PDFをエクセルに変換することが多いという人は有料ツールの導入を検討してみましょう。
最後に、PDFをエクセルに変換する5つの方法をおさらいしておきましょう。
- エクセルのPower Queryエディターを使って取り込む
- ワードで取り込んでエクセルに貼り付ける
- Adobe Acrobatの体験版を使って変換する
- 有料のPDF編集ソフトを使う
- 無料で使えるオンラインツールを使う
PDFをエクセルに変換できるとPDFデータを活用した資料作成ができるので作業効率アップが期待できますが、変換する手段によっては修正に時間がかかってしまうことがあります。
PDFをエクセルに変換するときは、使用したいデータの内容に合わせて最適な方法を選択しましょう。