エクセルのフィルターで複数の条件を設定する方法

エクセルのフィルターで複数の条件を設定する方法を教えてください。条件の入力方法がわからなくて、必要なデータがうまく抽出できません。

選択するフィルターの種類や、操作方法によっては複数条件が設定できないものがあるんだ。でも、操作を少し変えると設定できるものがあるから、詳しい操作方法を教えるね。
複数のフィルター条件を設定したい場合、比較的簡単に設定できるものと操作方法を変えないと決まった数の条件しか入力できないものがあります。
- オートフィルターを使う
- FILTER関数を使う
- フィルターの詳細設定を使う
エクセルのフィルターは、文字やセルの色などを指定してフィルターをかけることができますが、使用する機能によって複数の条件を設定する操作方法が変わります。
本記事では、複数の条件を設定してフィルターをかける方法を紹介していますので、参考にしてみてください。
フィルターに複数の条件を設定する方法以外にもエクセルのフィルターに関する関連記事がありますので、こちらもぜひご覧ください。
エクセルのフィルターで複数条件を設定する3つの方法
エクセルのフィルターで複数条件を設定する方法には、大きくわけて以下の3つの方法があります。
- オートフィルターを使う
- FILTER関数を使う
- フィルターの詳細設定を使う
それぞれの機能を解説します。
オートフィルターを使う
オートフィルターとは、データにフィルターを設置して特定の条件でフィルターがかけられるようになる機能です。
データタブの中に「フィルター」という文字がありますが、「オートフィルター」とデータタブの「フィルター」はほぼ同じ意味で使われています。
ただし、FILTER関数やフィルターオプションのようにオートフィルターを使用しないフィルターもあるため、「フィルター」という言葉で解説されている機能を確認する際は注意するようにしてください。
フィルターボタンを押した後の画面の中で、上記の赤枠で囲まれている部分にはデータに入力した項目がすべて表示されています。
すべての項目にチェックが入っているときはすべてのデータが表示されていますが、上記のように特定の文字列だけにチェックを入れると複数条件のデータを簡単に抽出できます。

入力した文字列でフィルターをかけたいときはこの方法が一番簡単だよ。
オートフィルターは、見出しに入力した項目でフィルターがかけられるだけではなく、「セルの色」、「指定した文字列」、「日付」を使ってフィルターをかけることもできます。
FILTER関数を使う
FILTER関数は、Excel 2021以降またはOffice365のエクセルで使用できるようになった関数です。
FILTER関数は、フィルターボタンではなく上記の画像のようにFILTER関数の引数に条件を入力して必要なデータを抽出します。
FILTER関数で複数条件を設定したいときは、「*(アスタリスク)」を使って複数の条件を入力します。
FILTER関数を使うと、元データはそのままの状態で必要なデータが抽出できるというメリットがありますが、2021以前のエクセルを使用している場合は使うことができないので注意してください。
フィルターの詳細設定を使う
フィルターの詳細設定も、FILTER関数と同じようにオートフィルターの機能を使わずにフィルターをかけることができます。
詳細設定を使ってフィルターをかける場合は、上記の画像のように元データと元データと同じ見出しで条件を入力するための表を作成しておきます。
「データ」タブの中にある「詳細設定」をクリックすると、「フィルターオプションの設定」のダイアログボックスが表示されます。
- 抽出先:指定した範囲
- リスト範囲:見出しを含めた元データの表の範囲
- 検索条件範囲:オレンジの枠の見出しを条件が入力されている範囲
- 抽出範囲:データを抽出する緑の枠のセル番地
抽出先は元データの範囲内を選択することもできますが、別のセルを指定して抽出しておくと元データとフィルターで抽出したデータの比較ができるので便利です。
複数列同時にフィルターをかけたいときは複数箇所のフィルターボタンを使用する
見出しに挿入したフィルターボタンを活用すると、複数列に対して同時にフィルターをかけることができます。
表のいずれかの見出し部分を選択し、キーボードのCtrl+Shift+Lを同時に押します。
フィルターが挿入され、各見出しにフィルターボタンが表示されました。
ブロック名のフィルターボタンを使って、「関西ブロック」でフィルターをかけます。
- 「関西ブロック」のみにチェックを入れる
- 「OK」をクリック
フィルターがかけられ、「関西ブロック」のデータのみを表示することができました。
性別の見出しのフィルターボタンを押して、性別でフィルターをかけましょう。
- 「女」の前の□をクリックしてチェックをはずす
- 「OK」をクリック
「関西ブロック」の「男性」社員だけを抽出することができました。
- 「データ」タブをクリック
- 「クリア」を押す
フィルターが解除され、すべてのデータを再表示することができました。
各見出しに表示されているフィルターボタンは、それぞれ独立しています。
複数の列に同時にフィルターをかけたいときは、1つずつフィルター条件を設定してください。
エクセルの色フィルターを複数同時にかけたいときは並べ替えを利用しよう

色フィルターを使って複数の色でフィルターをかけたいんですけど、1色しか選択できません。どうしたらいいんですか?
並べ替えの機能を使うと、複数の色でフィルターをかけることができるよ。
並べ替えの機能を使うと、指定した色で塗りつぶされているデータをまとめることができます。
そのあとで、不要なデータを非表示にすることで、複数の色のデータのみを表示してデータを抽出します。
ただし、並び替えの機能を使うとデータの順番が入れ替わってしまうため、フィルターをかける前にデータに番号を挿入しておき、フィルターを解除したあとにデータの順番を元に戻せるようにしておきましょう。
複数の色で色フィルターをかける
並べ替えを活用して、複数の色で色フィルターをかける手順を解説します。
- A列の上で右クリック
- 「挿入」を選択
- 挿入した列の見出し部分に「番号」と入力
- データの1行目に「1」、2行目に「2」と入力する
- 数字を入力した2行の範囲をドラッグをして選択
- ■にマウスを合わせてダブルクリックする
すべてのデータに連番で番号を振ることができました。
- 表の枠内のいずれかのセルをクリックしておく
- 「データ」タブをクリック
- 「並べ替え」を選択
- 「最優先されるキー」の下向き矢印をクリック
- セルが色分けされている見出し名を選択
- 「並べ替えのキー」の下向き矢印をクリック
- 「セルの色」を選択
- 「順序」の下向き矢印をクリック
- 表示された色の中からフィルターをかけたい色をクリックする
「レベルの追加」をクリックしてください。
- 「次に優先されるキー」、「並べ替えのキー」、「順序」をそれぞれ選択して、2色目の条件を設定
- 「OK」をクリック
条件を設定した色で塗りつぶされたセルが、データの上部に表示されます。
- 条件を設定していない色で塗りつぶされているセルの行番号を選択し、Shift+F10を押す
- 「非表示」をクリック
Shift+F10ではなくて、右クリックをしてショートカットメニューを表示してもOKだよ。
STEP12で選択した範囲のデータが非表示になり、複数の色でフィルターをかけることができました。
色を使って並べ替えたデータを元に戻す
順番が変わってしまったデータを元の状態に戻したいんですけど、どうすればいいですか?

最初に挿入しておいた番号を使うと、元の状態に戻すことができるよ。
データの順番が変わってしまったデータを、元に戻す手順を解説します。
非表示になっている部分の前後の行番号をドラッグして、Shift+F10を押します。
行番号を選択したあとに、右クリックをしてもOKだよ。
「再表示」を選択してください。
非表示にしたデータが再表示されました。
- 表の中の任意のセルをクリックしておく
- 「データ」タブをクリック
- 「並べ替え」を選択
- 「最優先されるキー」の行をクリック
- 「レベルの削除」を押す
- 「次に優先されるキー」の行を選択して「レベルの削除」を押す
- 「レベルの追加」をクリック
- 「最優先されるキー」の下向き矢印をクリックして「番号」を選ぶ
- 「並び替えのキー」の下向き矢印をクリックして「セルの値」を選択
- 「順序」の下向き矢印をクリックして「小さい順」を選択する
- 「OK」を押す
元の順番にデータを並び替えることができました。
ユーザー設定フィルターを使うとテキストフィルターで複数条件が設定できる
テキストフィルターで複数の条件を設定することってできるんですか?
テキストフィルターのいずれかのメニューをクリックすると、条件を2つまで入力することができるんだ。
フィルターボタンからテキストフィルターを選択すると、以下のようなメニューが表示されます。
- 指定の値に等しい
- 指定の値に等しくない
- 指定の値で始まる
- 指定の値で終わる
- 指定の値を含む
- 指定の値を含まない
- ユーザー設定フィルター
特定の条件でフィルターをかけたい場合は、「指定の値に等しい」などのメニューを選択してもよいですが、「ユーザー設定フィルター」を使うとすべてのパターンの条件を選択することができます。
テキストフィルターで複数条件を設定する
上記のデータの支店のテキストフィルターを使い、「東京」と「神奈川」のデータを抽出する手順を解説します。
- 「支店」のフィルターボタンを押す
- 「テキストフィルター」にマウスポインタを合わせて右にスライドする
- 「ユーザー設定フィルター」をクリック
- 抽出条件の指定の上の段の左側の枠の下向き矢印をクリックして「と等しい」を選択
- 右側の枠の下向き矢印をクリックして「東京」を選択
- ORの前の〇をクリック
- 2段目の左側の枠の下向き矢印をクリックして「と等しい」を選ぶ
- 2段目の右側の枠の下向き矢印をクリックして「神奈川」を選ぶ
- 「OK」をクリックする
東京と神奈川のデータだけを抽出することができました。
文字を指定して条件に合う行を抽出する
エクセルでは行方向にフィルターをかけることはできません。
しかし、列のフィルターを使用したり、行と列を入れ替えることで条件に合う行だけを抽出することが可能です。
例えば、上記の表の教室名の列を使ってフィルターをかけると、「新宿校」と「目黒校」の行だけを抽出することができます。
- 「教室名」のフィルターボタンを押す
- 「新宿校」と「目黒校」だけにチェックを入れる
- 「OK」を押す
「新宿校」と「目黒校」の行だけを表示することができました。
行と列を入れ替えて必要な行のデータを抽出する
同じデータの1月と6月のデータだけを抽出したい場合は、行と列を入れ替えます。
表の範囲を選択してコピーします。
- 新規シートを選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「貼り付け」の下向き矢印をクリック
- 「行/列の入れ替え」のアイコンを押す
- 見出しの範囲を選択
- 「データ」タブをクリック
- 「フィルター」を選択する
- 左端のフィルターボタンを押す
- 「1月」と「6月」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
「1月」と「6月」の行だけを表示することができました。
フィルターボタンを使って、行方向にフィルターをかけることはできません。
しかし、上記のように列方向のフィルターボタンを活用したり、行と列を入れ替えたりすると、条件に合う行だけを表示できるので試してみてください。
エクセルでフィルター条件を複数同時に設定できないときは入力した条件を確認してみよう

エクセルのフィルターで複数の条件を入力したのに、データが何も表示されません。どうしたらいいですか?
条件を入力したのに、データが何も表示されないときや意図した結果が得られなかったときは、入力した条件の内容を確認してみよう!
フィルターをかけたあとにデータが何も表示されない場合や意図した結果が得られない場合は、入力した条件が間違っている可能性が高いです。
データが何も表示されなかったときや、意図した結果が得られなかったときは、フィルターを解除してもう一度条件を入力しなおしてみましょう。
エクセルのフィルターで複数条件を設定するに関するQ&A
- エクセルでフィルターを2列同時にかけることはできますか?
-
エクセルのフィルターボタンはそれぞれ独立しています。そのため、フィルターをかけたい列のフィルターボタンを使って条件を設定すると、複数の列にフィルターをかけることができます。
詳しい手順は、複数列同時にフィルターをかけたいときは複数箇所のフィルターボタンを使用するで解説しています。
- 複数の色でフィルターをかけるにはどうしたらいいですか?
-
フィルターボタンの中にある「色フィルター」を使うと、1色しかフィルターをかけることができません。
並べ替えの機能を使ってセルの色で並び替えを行い、不要な色のセルを非表示にすると複数の色でフィルターをかけることが可能です。
詳しくは、複数の色で色フィルターをかけるで紹介していますので、参考にしてみてください。
- エクセルで複数の条件を設定したら、データが何も表示されなくなってしまったのですがどうしたらいいですか?
-
フィルターをかけたあとにデータが何も表示されなくなってしまったときは、フィルター条件に誤りがある可能性が高いです。
設定したフィルターを解除してから、もう一度フィルター条件を設定しなおしてみてください。
複数の条件を設定する方法をマスターして効率よくデータを抽出しよう!
エクセルでは、複数の条件をつけてフィルターをかけることが可能です。
ただし、色フィルターのように通常のやり方では複数条件が設定できないフィルターもあるので注意してください。
最後に、エクセルで複数のフィルターをかける方法をおさらいしておきましょう。
- オートフィルターを使う
- FILTER関数を使う
- フィルターの詳細設定を使う
エクセルのフィルターは、必要なデータだけを簡単に抽出できる便利な機能ですが、使い方を間違えると正しい結果が得られない場合があります。
特に複数の条件を入れてフィルターをかけたいときは、使い方を間違えないように注意しましょう。
エクセルのフィルターで複数条件を入力する方法のほかにも、エクセルのフィルターに関する関連記事があります。
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