エクセルで散布図のグラフを作成する方法と注意点を解説！

散布図は、作成されたグラフの形状によって異なる2つのデータに相関関係があるかを調べたいときなどに使用します。

散布図を作成すると、表にまとめられたデータが直感的に判断できるようになるのはもちろんですが、未来の数値予測やデータのばらつきが瞬時に判断できるようになります。

本記事では、散布図の作り方とデータ分析をする際の注意点をわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

散布図の作り方以外にも、エクセルのグラフに関する関連記事があります。

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エクセルの散布図は2つのデータの関連性を表すグラフのこと

散布図は、2つの異なるデータに関連性があるのかを視覚化したいときに使用するグラフです。

これは、気温とエアコンの売上台数をまとめた表から散布図を作成したものです。

散布図は、点が直線に近い形状をしていた場合は2つのデータ間には相関関係があり、点がバラバラに表示されていた場合は相関関係がないと判断します。

上記のグラフでは散布図の点が直線に近いので、気温とエアコンの売上台数には相関関係があると判断できます。

これは、気温と電子レンジの売上台数を散布図にしたものです。

上記のグラフとは異なり、点の位置がバラバラになっていますね。

このような場合は、2つのデータ間には相関関係はないと判断します。

散布図を作成してデータ分析すると、商品の販売台数や売上金額の予測、データのばらつきなどが確認できるようになります。

エクセルでの散布図のグラフの作り方

先ほどの気温とエアコンの売上台数の表を使って、散布図を作成してみましょう。

2つの散布図を重ねて1つにする手順

別々に作成した散布図は、コピー＆貼り付けするだけで簡単に1つにすることができます。

コピーと貼り付けの操作は、ショートカットが便利です。

操作	今回使用しているショートカットキー
コピー	Ctrl+C
貼り付け	Ctrl+V

コピーと貼り付けはよく使う操作なので、ショートカットを使って操作してみましょう。

エクセルで作成した散布図を編集する

挿入した散布図の系列の色と軸の数値を編集する方法を解説します。

系列の色を変更

系列の色は、以下のいずれかの方法で変更することができます。

どちらを使っても色の変更は可能ですが、選択できる色に違いがあります。

好みに合わせて好きなほうの手順を選択してみてください。

それぞれの手順を詳しく解説していきます。

「図形の塗りつぶし」、「図形の枠線」を使って変更する

自由に色を変更したい場合は、「図形の塗りつぶし」、「図形の枠線」を使用してください。

系列の色を変更することができました。

「色の変更」を使って変更する

「色の変更」を使う場合は、あらかじめ色分けされているカラーパレットを選択して色を変更します。

系列が複数ある棒グラフや折れ線グラフの色をまとめて変更したいときに使用すると便利な機能ですが、系列が1つしかない散布図の色も変更することが可能です。

ただし、こちらの方法の場合は自由に色を選択することができません。

色を自由に選択したい場合は、「図形の塗りつぶし」を利用してください。

軸の数値を変更する

散布図の場合、軸の数値は変更することが可能ですが、棒グラフや折れ線グラフのように軸の目盛に文字を表示することはできません。

これは、散布図（直線とマーカー）使用して作成したグラフです。

散布図でグラフを作成すると、左側のグラフのように縦軸、横軸ともに数字で表示されます。

棒グラフや折れ線グラフは、「データの選択」や「軸の書式設定」で軸を文字に編集することができますが、散布図は右側のグラフのように数字から文字に編集することはできません。

右側のグラフのように横軸を文字にしたい場合は、マーカー付き折れ線グラフを使うか、テキストボックスを使って軸を編集する必要があるので注意してください。

散布図の横軸を文字に変更する方法は、関連記事のエクセルで標準偏差のグラフを作成する手順をご覧ください。

これは、先ほどの気温とエアコンの売上台数の表を使用して作成した散布図です。

気温が20℃以下のデータがないため、グラフが右側に偏ってしまっていますね。

「軸の書式設定」を使って、横軸の最小値を変更してみましょう。

近似曲線を追加

散布図を作成した場合は、近似曲線を追加しておくと他の数字とは大きく離れている「外れ値」を確認しやすくなります。

これは、近似曲線を挿入した散布図です。

ほとんどの点(プロット)は、線の付近に表示されていますが、1つだけ離れた点がありますね。

他のデータよりも極端に数字が小さい、または大きいものを「外れ値」といいます。

近似曲線を挿入すると、「外れ値」が確認しやすくなるので便利です。

散布図は収集したデータをまとめて未来のデータを予測したいときなどに使用されることが多いので、近似曲線を挿入してデータ分析をする際に役立ててみてください。

• グラフを選択
• グラフ要素の「+」をクリック
• 「近似曲線」にチェックを入れる

近似曲線は「グラフ要素」の「近似曲線」にチェックマークを入れるだけなので、活用してみてください。

散布図の読み方とデータ分析する上の注意点

散布図は、異なる2つのデータの相関関係を調べることができますが、グラフから内容を読み取る際には注意しなければならないこともあります。

それぞれについて、もう少し詳しく解説します。

相関関係はあっても因果関係があるとは限らない

散布図では、グラフに表示された点が直線に近い場合は「相関関係がある」と判断でき、バラバラに表示されている場合は「相関関係がない」と判断できます。

しかし、相関関係があっても因果関係があるとは限らないので注意が必要です。

先ほどの気温とエアコンの売上を例に考えてみましょう。

気温が高くなると、エアコンの販売台数が増えていました。

これは、エアコンの売上台数は気温の高さが関係しているということです。

しかし、エアコンの販売台数が増えれば気温も高くなるということはないですよね。

つまり、エアコンの売上増加は、気温上昇の原因にはならないということです。

「因果関係」は、どちらかの現象が原因となり、もう片方の結果に影響を与えているときに使用します。

相関関係と因果関係の意味の違いをまとめると、以下のようになります。

相関関係	因果関係
データのどちらかの数値が増加または減少すると、もうひとつのデータも増加または減少する	原因となる現象が結果に影響を与えている

どちらか一方のデータがもう一方のデータに影響している場合でも、「影響を与える＝原因ではない」というケースもあります。

散布図を使ってデータ分析をする際は、「相関関係」と「因果関係」の違いを理解しておくようにしましょう。

極端に数字が異なる外れ値があった場合は注意が必要

極端に数字が異なる外れ値があった場合も注意が必要です。

これは、商品A、商品Bともに年間の平均売上個数が同じデータを散布図にしたものです。

赤線の位置は、平均値です。

例えば、このデータから来年度の仕入れ数を決定するとします。

商品Aのように外れ値があるデータでは、外れ値を除外して分析した場合と外れ値を含めた場合では、結果が大きく異なってしまう可能性があります。

外れ値がある散布図からデータ分析する際は、外れ値の扱い方に注意するようにしましょう。

データ数が少ない場合は正確な結果が得られない可能性がある

散布図を作成する場合、収集するデータの数が多いほうが正確な結果を予測しやすくなります。

収集したデータが少ない場合は空白の部分が増えるため、近似曲線の通りにデータが増加しているかわかりにくい箇所があります。

しかし、データ数が増えると空白部分が少なくなり、挿入した近似曲線と同じようにデータが増加していることがわかります。

収集したデータ数が少なかった場合は、分析した内容と実際の結果の間に相違が出てしまう可能性があるので注意してください。

エクセルで散布図のグラフを作成する方法に関するQ＆A

エクセルで散布図のグラフを作る方法を教えてください。

作成した表の範囲を選択して、挿入タブにある「散布図」のアイコンをクリックします。

必要に応じて、グラフタイトルや軸の数値、近似曲線を挿入してみてください。

エクセルで散布図がうまく作成できないのですが、どうしたらいいですか？

散布図は、2つのデータ間に相関関係があるかを調べたいときに作成します。

そのため、関連性を調べたい2つのデータが必要です。

散布図がうまく作成できないときは、作成した表に誤りがあるか、表の選択範囲に誤りがある可能性があります。

正常な散布図が挿入されなかった場合は、作成した表または表の選択範囲を確認してみてください。

エクセルで2つの散布図を1つにする方法を教えてください。

どちらか一方の散布図をコピーしたあとに、残ったグラフを選択して貼り付けをすると2つの散布図を1つにすることができます。

詳しい手順は、本文の2つの散布図を重ねて1つにする手順で解説していますので、参考にしてみてください。

2つのデータの関連性がわかる散布図を作成してみよう！

エクセルで散布図を作成すると、2つのデータ間に相関関係があるかを視覚化することができます。

また、近似曲線を挿入することで、現時点から先のデータを予測することが可能です。

散布図はデータ分析をする際に便利なグラフなので、作成方法と活用の仕方をマスターしてみてください。

最後に、散布図の作り方をおさらいしておきましょう。

散布図は、作り方だけではなく、グラフの読み方を覚えておかなければうまく活用することができません。

散布図の作り方と読み取り方を覚えて、データ分析や未来を予測する際に役立ててみてください。

散布図を作成する方法以外にも、エクセルのグラフに関する関連記事があります。

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