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エクセルの名前の定義で参照できない原因と対処法

紬ちゃん

エクセルで名前の定義で参照できないんです。どうしたらいいですか?

ライクさん

名前の定義で参照できない原因は1つではないんだ。主な原因と対処法を教えるね。

「名前の定義」は、計算式の視認性を高められる便利な機能です。

しかし、使い方を間違えると名前の定義を使った参照ができません。

エクセルの名前の定義で参照できない主な原因
  1. 同じブック内の別のシートに同一の名前で登録しようとした
  2. 登録した名前が削除された
  3. テーブルに変換したデータに「数式で使用」を使って計算式を挿入している
  4. 表で名前をつけたデータに「セルをクリック」して計算式を入力した

名前の定義で参照できないときは、「名前が正しく登録されていない」、または「名前を使った参照の手順が間違っている」可能性が高いです。

本記事では、名前の定義で参照できない原因と対処法を解説していますので参考にしてみてください。

名前の定義を使った参照以外にも、エクセルの参照に関する関連記事があります。

こちらもあわせてご覧ください。

目次

エクセルの名前の定義で参照できないときは「名前の管理」で登録内容を確認!

エクセルの名前の定義で参照できないときは、「名前の管理」で登録内容を確認してみましょう。

「名前の管理」のダイアログボックス
「名前の管理」のダイアログボックス

Ctrl+F3を押して名前の管理のダイアログボックスを表示すると、登録した名前の一覧を表示できます。

間違った値が表示されたり、エラーが表示されたりしたときは、設定した名前が正しく登録されているか確認してみましょう。

エクセルの名前の定義で参照できない主な原因は4つ!

名前が正しく登録されているのに「名前の定義」で参照できない場合は、操作が間違っている可能性が高いです。

名前の定義で参照できない主な原因は、以下の4つです。

  • 同一ブック内の別のシートに同じ名前で登録しようとした
  • 登録した名前が削除されている
  • テーブルに変換したデータに「数式で使用」を使って計算式を挿入した
  • 表で名前をつけたデータに「セルをクリック」して計算式を入力している

それぞれについて、詳しく解説していきます。

同一ブック内では別のシートでも同じ名前は登録できない

同一のブック内では、シートが異なる場合でも同じ名前で登録することができません。

紬ちゃん

ブックとかシートとかよくわからないので、もう少し詳しく教えてください。

ライクさん

エクセルでは「ブック」と「シート」という言葉がよく使われるから、はじめにこの2つの違いをしっかり理解しておこう!

「ブック」と「シート」の違い
「ブック」と「シート」の違い

赤枠で囲まれた画面全体が「ブック」、画面下の青枠で囲まれているSheet1、Sheet2と表示されている部分が「シート」です。

本で例えるなら、本全体が「ブック」、本の中のページが「シート」のようなイメージです。

Sheet1のB列に「定価」と名前をつける
Sheet1のB列に「定価」と名前をつける

例えば、Sheet1のB列に「定価」と名前をつけたとします。

Sheet2はSheet1で使用した名前は使えない
Sheet2はSheet1で使用した名前は使えない

Sheet2のB列の範囲に名前をつける場合、Sheet1で使用した名前は使うことができません。

紬ちゃん

Sheet1でつけた名前をSheet2で使うとどうなるんですか?

ライクさん

Sheet2の範囲は名前が登録されず、Sheet1でつけた名前の範囲が自動的に選択されてしまうんだ。

Sheet2のB列を選択して名前をつける
Sheet2のB列を選択して名前をつける

Sheet1のB列に名前をつけたあとに、Sheet2のB列を選択して「定価」と入力してEnterを押します。

すると、すでに登録されているSheet1のB列が自動的に選択されてしまいます。

「定価」という名前が1つしかない
「定価」という名前が1つしかない

これは、Sheet1のB列とSheet2のB列に「定価」という名前をつけたあとに、名前の管理の画面を表示した画像です。

登録された名前を見ると、「定価」と名前がついているものは1つしか表示されていません。

複数のシートで同じ名前をつけた場合、エラーが発生することや正しい結果が表示されないことがあるので注意しましょう。

紬ちゃん

別のシートにも「定価」という名前をつけたい場合はどうしたらいいんですか?

ライクさん

完全に同じ名前をつけることはできないけど、例えば「定価2」のように後ろに数字をつけると別の名前として登録できるから試してみてね。

登録した名前が削除されているとエラーが表示される

名前を使って参照で計算式を挿入したあとに、登録した名前が削除されると計算式にエラーが表示されます。

名前が削除されているとエラーが表示される
名前が削除されているとエラーが表示される

これは、名前の定義を使って計算式を挿入したあとに、使用した名前を削除した画像です。

「#NAME?」というエラーが表示されていますね。

「#NAME?」は、エクセルが認識できない関数、または存在しないセルが参照されているときに表示されるエラーです。

このエラーが表示されたときは、定義した名前が削除されていないか確認してみましょう。

テーブルに変換したデータに「数式で使用」を使って計算式を挿入している

テーブルに変換したデータは、「数式で使用」を使って計算式を入力するとエラーになります。

理由は、テーブルに変換したデータの場合は、定義した名前をそのまま使うことができないためです。

テーブルに変換したデータでは定義した名前をそのまま使用することができない
テーブルに変換したデータでは定義した名前をそのまま使用することができない

表で作成したデータは「数式で使用」を使って参照しますが、テーブルに変換したデータの場合は、列名または行名でセル範囲を指定する必要があります。

そのため、「=定価*掛け率」のように計算式を入力してEnterで確定すると、エラーになってしまいます。

「スピル」という文字が表示された
「スピル」という文字が表示された

これは、先ほどの計算式をEnterで確定したあとの画像です。

「#スピル!」というエラーが表示され、計算結果が表示されていないことがわかりますね。

名前をつけた「列」を指定して参照する
名前をつけた「列」を指定して参照する

テーブルに変換したデータは、「=[@定価]」のような形で名前を参照する必要があります。

テーブルを使った参照は、別の記事で詳しく解説していますのでこちらも参考にしてみてください。

表で作成したデータにセルをクリックして計算式を入力している

表で作成したデータは、セルをクリックして計算式を入力すると名前の定義で参照することができません。

範囲を選択すると定義した名前が表示される
範囲を選択すると定義した名前が表示される

名前を登録した範囲を選択すると、名前ボックスに登録した名前が表示されています。

セル番地が表示されている
セル番地が表示されている

しかし、名前が正しく登録されていてもセルをクリックするとセル番地が表示されてしまい、名前の定義を使って参照することができません。

表の場合は、クリックで計算式を入力すると名前で参照できないので注意してください。

名前の定義を使った参照の正しい手順

前述したように、「テーブル」と「表」では名前の定義を使って参照する手順が異なります。

それぞれの違いは以下の通りです。

テーブル
セルをクリックして計算式を挿入する「数式で使用」を使って定義した名前を入力する

正しい手順で操作をしないと、名前の定義で参照できなくなるので注意しましょう。

名前の定義を使って参照する正しい手順を解説していきます。

「テーブル」はセルをクリックして計算式を挿入する

テーブルに変換したデータは、セルをクリックして計算式を挿入します。

STEP
計算に使用する範囲に名前をつけておく
計算に使用する範囲に名前をつけておく
計算に使用する範囲に名前をつけておく

計算に使用する範囲に名前をつけておきます。

STEP
計算式を挿入するセルに「=」を入力
計算式を挿入するセルに「=」を入力
計算式を挿入するセルに「=」を入力

計算式を挿入する「C3」に「=」を入力してください。

STEP
「B3」のセルをクリック
「B3」のセルをクリック
「B3」のセルをクリック

「B3」のセルをクリックすると、[@定価]と表示されます。

STEP
「*」を入力
「*(アスタリスク)」を入力
「*(アスタリスク)」を入力

「*(アスタリスク)」を入力してください。

STEP
「G7」をクリック
「G7」をクリック
「G7」をクリック

掛け率が入力されている「G7」をクリックして、Enterで確定しましょう。

ライクさん

掛け率が入力されているのは、テーブルの範囲内じゃなくて単体のセルだから「掛け率」と表示されるよ。

STEP
名前の定義で参照できた
名前の定義で参照できた
名前の定義で参照できた

名前の定義で参照することができました。

ライクさん

テーブルの場合は、名前の定義で参照すると[@定価]のように表示されることを覚えておこう!

「表」は「数式で使用」を使って入力する

表に計算式を挿入するときは、「数式で使用」を使って入力します。

STEP
計算に使用する範囲に名前をつけておく
計算に使用する範囲に名前をつけておく
計算に使用する範囲に名前をつけておく

計算に使用する範囲に名前をつけておきます。

STEP
計算式を挿入するセルに「=」を入力
計算式を挿入するセルに「=」を入力
計算式を挿入するセルに「=」を入力

計算式を挿入する「C3」のセルに「=」を入力してください。

STEP
「数式で使用」を選択して「定価」をクリックする
「数式で使用」から「定価」をクリック
「数式で使用」から「定価」をクリック
  • 「数式」タブをクリック
  • 「数式で使用」を選択
  • 「定価」をクリックする
STEP
「*」を入力
「*」を入力
「*」を入力

「*」を入力してください。

STEP
「数式で使用」から「掛け率」を選択
「掛け率」を選択
「掛け率」を選択
  • 「数式で使用」を選択
  • 「掛け率」をクリック
STEP
入力された計算式の内容を確認してEnterで確定する
入力内容を確認して確定する
入力内容を確認して確定する

計算式の入力内容を確認して、Enterで確定しましょう。

ライクさん

表の場合は、表の範囲内の名前も「定価」のように文字だけで表示されるよ。

STEP
すべてのセルに計算結果が表示された
すべてのセルに計算結果が表示された
すべてのセルに計算結果が表示された

すべてのセルに計算結果が表示されました。

紬ちゃん

「数式で使用」を使って入力したセルのデータを削除しようと思ったんですけど、削除ができないんです。どうしたらいいですか?

ライクさん

2番目以降に表示されている値は、実際には入力されていない計算式の値だから削除することができないんだ。

2021以降のエクセルから、「スピル」という機能が追加されました。

「スピル」とは、計算式を入力した周りにセルにも同じ結果が表示されるように、エクセルが自動的に計算式を挿入する機能です。

手入力した計算式は実際にエクセルに挿入されていますが、スピルによって自動で表示された計算式は実際には挿入されていません。

ライクさん

スピルは、エクセルが周りのセルにも同じ計算が必要になるだろうと予想して結果を表示しているだけだから、確定した計算式として認識されているわけではないんだ。

そのため、スピルが使える2021以降のエクセルではすべてのセルに値が表示されますが、スピルが使えない2021以前のエクセルを使用している場合は、計算式を入力したセルだけに結果が表示されます。

スピルで自動入力された計算式
スピルで自動入力された計算式

これは、2番目のセルをクリックした画像です。

数式バーをみると、薄いグレーの文字で表示されているのがわかりますね。

スピルで自動入力された計算式は、薄いグレーの文字で表示されることから、「ゴースト」と呼ばれています。

「ゴースト」で計算された値は、Deleteキーで削除することができません。

「ゴースト」で入力された計算式を削除したい場合は、手入力した一番上のセルを削除してください。

2021以前のエクセルを使用している場合や、2021のエクセルを使用している人とデータを共有している場合は、スピルを使って計算結果を表示することができません。
2番目以降のセルに結果が表示されなかった場合は、オートフィルで計算式をコピーしてください。

名前の定義に使えない文字や記号に注意する

表やテーブルの範囲、またはセルに名前をつける場合、使えない文字や記号があります。

名前の定義を使って正しく参照するために、使えない文字や記号に注意するようにしましょう。

名前の先頭に数字は使えない

名前の定義では、名前の先頭に数字を使うことができません。

例えば、今回紹介したように複数のシートに「定価」という名前をつけたいとします。

この場合、「定価2」のように文字の後ろに数字を入れることはできますが、「2定価」のように数字を先頭にすることはできないので注意してください。

ライクさん

複数のシートで同じ名前を数字を使って区別するときは、数字を入力する位置に気をつけよう!

セル番地と同じ組み合わせになる「A1」などは使えない

セル番地と同じ組み合わせになる「A1」などは、名前に使用することができません。

「Z」以降の組み合わせに注意する
「Z」以降の組み合わせに注意する

「Z」以降は、上記にように「AA」、「AB」のようにアルファベットの数が2つになるため、「AA1」といった名前も使用できません。

「C」「c」「R」「r」は単独で使うことができない

他の文字や記号と組み合わせる場合は問題ありませんが、「C」「c」「R」「r」は単独で使うことができません。

紬ちゃん

どうして、「C」と「R」単独で使えないんですか?

ライクさん

エクセルの参照形式が2種類あるからだよ。

エクセルの設定を変更していない場合は、列方向のアルファベット、行方向に数字が表示されています。

A1形式
A1形式

このような形で表示されているセル参照形式を「A1形式」といいます。

エクセルにはもうひとつ「R1C1形式」というセル参照形式があることをご存じでしょうか。

R1C1形式
R1C1形式

これは、「R1C1形式」で表示したエクセルの画面です。

「1の1」のセルをクリックしてみると、セル番地に「R1C1」と表示されていますね。

R1C1形式に変更すると、セル番地はRとCの組み合わせで表示されます。

「C」と「R」は、A1形式で参照していてもR1C1形式で参照していても、セル番地と混同する可能性が高いため、単体では使用できないようになっています。

セル番地と同じにならないように「C」だけで名前を入力
セル番地と同じにならないように「C」だけで名前を入力

例えば、「C1」のセル番地と同じにならないように、名前ボックスに「C」だけを入力してEnterで確定したとします。

名前の登録ができていない
名前の登録ができていない

名前の管理を開いて確認してみると、「C」とつけた名前は登録されていません。

セル番地に近い名前を使用したいときはアンダースコアを利用する
セル番地に近い名前を使用したいときはアンダースコアを利用する

「C」や「C1」という名前は登録することはできませんが、「C_1」のようにアンダースコアを組み合わせると登録することが可能です。

「C」や「R」を単体で使用したい場合は、「_」と組み合わせて登録してみてください。

文字の区切りにスペースは入れられない

名前を見やすくするために、文字と文字の間に区切りを入れたいときは「スペース」に注意してください。

ファイルを保存するときのファイル名は文字と文字の間にスペースを入れることができますが、名前の定義ではスペースを使用することができません。

紬ちゃん

文字に区切りを入れたいときはどうすればいいんですか?

ライクさん

「_」または「.」を活用してみてね。

「名前 スペース」のような名前をつけることはできませんが、「名前_スペース」のように「_」(アンダースコア)を入れることは可能です。

「_」の正式名称は「アンダースコア」ですが、一般的には「アンダーバー」と呼ばれています。

また、スペース以外では「()」(丸かっこ)や「/」(スラッシュ)も使用することができません。

区切りを入れたいときは「_」または「.」(ピリオド)を使用しましょう。

ライクさん

名前の定義で使えない記号と、ファイル名に使えない記号は同じじゃないんだ。
使用する場面によって使えない記号が異なるから注意してね。

エクセルの名前の定義で参照できないに関するQ&A

エクセルで名前の定義を使って参照する方法を教えてください。

エクセルで名前の定義を使って参照する場合、テーブルを使用しているか表を使用しているかで操作方法が変わります。

名前の定義を使った参照の正しい手順で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてみてください。

登録した名前の定義を編集する方法は?

Ctrl+F3を押して、「名前の管理」のダイアログボックスを表示します。

編集したい名前をクリックしたあとに画面上部にある「編集」を押して、修正を行ってください。

エクセルで名前の定義で参照するメリットは何ですか?

名前の定義を使って参照すると、計算式をセル番地ではなく登録した名前で表示することができます。

計算式を文字で表示できるので、計算式の内容が把握しやすいというメリットがあります。

エクセルの名前の定義で参照できないときは登録内容や挿入の手順を確認しよう!

名前の定義は、計算式の内容がわかりやすくなる便利な機能ですが、操作方法を誤るとうまく参照できないことがあります。

表やテーブルに変換した範囲に名前をつけた場合は、表とテーブルでは参照の手順が異なるので注意してください。

最後に、エクセルの名前の定義で参照できない主な原因をおさらいしておきましょう。

おさらい
  1. 同じブック内の別のシートに同一の名前で登録して参照しようとした
  2. 計算式に挿入したあとに登録した名前が削除されていた場合
  3. テーブルに変換したデータに「数式で使用」を使って計算式を挿入している
  4. 表で名前をつけたデータに「セルをクリック」して計算式を入力した

名前の定義を使って参照する手順は、それほど難しくはありません。

しかし、テーブルと表では名前の定義を使って参照する手順が異なるため、操作方法を間違えると正しく参照できないことがあるので注意しましょう。

名前の定義を使った参照以外に、エクセルの参照に関する関連記事があります。

こちらもぜひご覧ください。

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